スカイハイ



いつも、ワタベくんを同じくらいで考えてた。ワタベくんは私より年上だけど。
でも、やっぱり違うのかな。

「あ、内藤さんそこ足元気をつけて…」
「分かりましたーぁああぁあ?!」
「ちょ…内藤さん?!」

気がついたら、足が断差に引っ掛かっててこけなかったけど、バランスが取れなくなって持ってた段ボールを落としてしまった。
中に入ってた雑誌が全部落ちた。

「内藤さん、大丈夫?!」
ワタベくんが走り寄って来てくれた。
こんな風に前にコードを落としたときを、不意に思い出してしまった。
あの時、ワタベくんの場所…私の前にいたのはヒロくんだった。
そんな事、忘れてたらよかったのに。



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