スカイハイ





「あははー、ごめんねワタベくん。すぐに片付けるから、心配しないで?」
「でも、二人でやった方がいいです」
そうゆうと、ワタベくんは「ね?」って言って、しゃがんで雑誌を拾い始めた。
拾っていくワタベくんの腕を、掴んだ。

「本当に、大丈夫だから」

ヒロくんを失った私はもう一杯一杯で、他の人に優しくされたら、耐えられない。
ヒロくんとの思い出が溢れ出して、自分をコントロールできなくなっちゃうよ。

「あ……了解です」
なんか感じたのかすぐに立ち上がって、受け付けの方に駆け足で行った。

ほっとしたんだ、私は。
ヒロくんがいなくなったら、私の中からも消えて、私が私じゃなくなっちゃうんじゃないかなって、怖かった。



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