スカイハイ



急いで台所に行こうとした時、ヒロくんが片手でいきなり私の服の襟を掴んだ。

「ビロぐん、ぐるじー……」
「おばさんに言ったのかよ」
「ぐっ……」

やっぱり、そこに来ると思った。
もう15年も一緒なんだから、分かるのはしょうがないのかもしれない。
ちょっとくらい、ヒロくんは気を使ってくれてもいいと思うけど。

「だってお母さんに言ったとこでお父さんに伝わっちゃうし…許してくれないだろうし……」



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