スカイハイ



だってヒロくんは俳優だし芸能人だし。それに私がいくら想っていても、ヒロくんに言う勇気がないと意味がない。
言う勇気のない私、これ以上近づいて、この関係が壊れてしまうのを怖がってる私は駄目なのかな。

もっと近づきたい。
もっともっと近くにいたい。
“幼なじみ”だけじ足りない。
スタジオの前には前田先輩とワタベくんとワタナベさんと、他の人達がいた。
「あ、遅いよレミちゃん」
「遅刻しちゃってすみません!」
「まぁ、急だったししょうがないよね」

そう前田先輩は言うと後ろを振り返って
「皆俺に着いて来てよ」
と言って、先頭をきって歩き出した。展開が急すぎて、頭がついていかない。
スタジオに着いた途端、移動するだなんて聞いてない。この人数でロケとか仕事もないと思う……じゃあどこ行くの?



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