スカイハイ
「ちょっと借りる」
パニック状態の私に更に追い打ちをかけるかのように、ヒロくんが私の肩に頭を乗せて、寄り掛かってきた。
「え、ちょ、何する……」
言葉が頭の中に出てこない。出てきても、途中で消えて言葉にならない。
「最近、収録で全然寝てない。眠い」
それだけ言うと、ヒロくんは小さく音を立てながら寝てしまった。
こんなにすぐ眠れるくらい、疲れていたんだなって分かる。いくら自分がなりたかったからっていっても、仕事は楽じゃないよね。
今ならよく分かるよ、ヒロくん……。
そんな事を考えながら、私も目を閉じた。眠くはなかったけど、ヒロくんと同じ夢が見られたらいいと思って。
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