スカイハイ
だって、私。こんなヒロくんの笑顔あんまり見ない。こんな優しそうな笑顔、いつから見てないかな。
今日は私が“モデル”だから、こんな顔をするのかな……。
「はい、わたあめ」
「買ってくれたの?ありがとう!!」
素直に笑えた。いくら仕事だからって言って、好きな人に優しくされたら誰でもすごく嬉しいんじゃないかな。
でも、ヒロくんは私の方じゃなくて、別のところを見ていた。ヒロくんの向いてる方を見ると金魚掬いだった。
「ヒロくん、金魚掬いやりたいの?」
「いや、そうゆう訳じゃないんだけど。……ただ、お前みたいだなーって思った」
「金魚が?ひ、ひどい!!」
私は文句を言ってるのに、ヒロくんは笑っていて、なんか納得いかない。
本当に、ひどい。金魚と私が似てるなんて言うとは思ってなかった。