スカイハイ

そうして、どんどん奥に進んでいく。
その時、私の額に水が一滴落ちた。
「あっ、雨……」
雨がいきなり降って来た。
信じられない、今日の天気予報では雨降るだなんてそんな事、言ってなかった。

「夕立っぽいな……」
そうヒロくんはつぶやくと、繋いでる私の手を引っ張って走り出した。
「ヒロくん、速いよ！！」
「雨が強くなる前に境内で雨宿りする」
そう言って私の手を更に強く引っ張った。

この世界に二人だけみたいな、そんな感覚が心地良くて、私の心臓は音をたてる。

ヒロくんの言う通り、夕立なんだろう。まだあんまり時間は経ってないのに、もう大雨になっちゃってる。
そのせいで、境内にたどり着いて雨宿りしようとした時にはもう浴衣はビショビショになってた。