スカイハイ
どこにいるのか、分からない。
白い部屋に私はいて、その白い部屋はどこまでもありそう。先を探して歩いてると気が遠くなった。
『レミ!!』
疲れて床に座ってると、ヒロくんの声が聞こえた。いつもは呼ばない、私の名前をヒロくんは呼ぶ。
後ろを振り返った私をヒロくんは抱きしめて、耳元で囁いた。
一番、聞きたかった言葉。
『好き、だよ』
でも、声はモノクロで生き生きしてない。
まるで、ここにはいなくて何かを再生しているような、ヒロくんの声。
『ヒロくん、どこにいるの?』
私の声まで、私の物じゃないように聞こえた。でも聞いた事のある、私の声。
私を抱きしめていた温もりが消えた。