スカイハイ
気がつくと、ヒロくんはとっても小さくなっていた。10歳くらいのヒロくん。
『好きだよ、レミ』
そう言って、私に笑いかけるヒロくんを、すごく愛おしいって思った。
これは、私の記憶なんだと分かったけど、夢から目覚めたくないって、私は思った。
この頃のヒロくんは、私に好きって言ってくれた。たぶん妹としか見てなかったと思う。だけど、それでもいい。
現実に戻ったら、“あれは恋じゃなかった”って、気がついてしまうから。
それだったら“好き”って、家族愛でもいいから、言って欲しいよ。
私は小さなヒロくんを抱きしめた。
「ヒロ、くん……」
涙が出てきた。
どうして私はヒロくんを、解放してあげられないんだろう。どうして想う事しか出来ないんだろう。