スカイハイ



「誰かいますか?!」
物音に気がついたマネージャーさんが、こっちを振り向いた。

「お前……なんでここに」

ヒロくんに、見つかった。
「あ…えっと……」
ヒロくんの目が私に訴える。
“こんなところに来るな”
“なんでお前がいるんだ”
“早く帰れ”
ヒロくんのいろんな気持ちが入ってくる。

「松田さん、また後ででいい?」
「でもこのあとも仕事が……」
「10分だけだから」
渋々、マネージャーさんはヒロくんに言われてスタジオに入っていく。
マネージャーさんがいなくなって、ヒロくんと二人になってしまった。

「……聞いてたんだ」
ヒロくんがため息をついた。
「うん、聞いてたよ」
嘘ついてもしょうがないから、正直に答えた。でも目は合わせられない。



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