期待 ー絶望ー ー裏切りー
彼は見放される事にもう耐えられなかった。


彼が死んでから二年間。


彼の魂はあの世をさまよい続けた。


そんなある日、彼の魂があの世から呼び出された。


彼が気が付くと辺りは薄暗いけど、かなり広い洞窟部屋みたいな所に居た。


それが俺、“刹憐”(セツレン)の誕生だった。


俺は、訳が分からなくて何となくボーッとしていた。


すると、奥の部屋から気味の悪い服装をしたおじいさんが出てきて俺に話かけてきた。


「新しい自分の体はどうだ?刹憐」


「新しい体って言われても・・・・と言うか俺は刹憐なんて言う名前じゃない」


たぶん・・・


「おお、そうじゃったな。香」


香?


「あっ!!思い出した!!俺、両親からも今まで会った全ての人に見放されて・・・俺、もう耐えれなくて自殺したんだ・・・」


「そうだ。そしてお前は、自分が見放された事で人間を恨んでいた・・・・違うか?」


そうだ・・・


俺は、俺の事を見放した奴等を恨みながら死んでいった。

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