私と貴方を繋ぐ場所
「本、返しに来た。」
(え?だって昨日借りたばっかり…)
「あ、の…、もう読んだんですか?」
「あぁ、読んだ。また違うの借りてく。」
(凄い。もう読んじゃったんだ。…だってあの本すごいページ数なのに……。)
「あの…、本…好きなんですか?」
声には出さず、ただ頷く松本君。
「明治・大正の文豪、得に森鴎外と芥川龍之介が好きだ。」
(へぇ…!そうなんだ。)
「私も、最近の小説とか…よく読みますけど、その時代のも好き、です。樋口一葉さんとか…。」
(嘘。私、昔の文豪の人なんて名前くらいしか知らない…。私、なんで嘘なんかついちゃったの?)
「あの時代の文豪の作品は読んでて飽きないからな。」
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