私と貴方を繋ぐ場所
(はぁ…、やっとお昼休み……)
今まで過ごしてきた日常と正反対の、騒々しい午前中がいつもより長く感じた。
でも、昼休みだけはいつもと同じ時間を過ごせるだろう。
こうして私は、いつものように休館へ向かった。
蓮見先生から渡されている鍵で休館の扉を開け、“開館中”のプレートを下げてからお弁当を広げた。
「いただきます。」
一番最初に食べるのは、大好きな甘いタマゴ焼き。
(おいし~!)
一口食べた所で、誰かが扉を開ける音がした。
―キィ……バタン―
「よ。」
私の前に現れたのは、今日半日クラスを騒がせていた張本人だった。
「松本くん…」
「隣、いいか?」
そう言って松本君は貸出カウンターの中に入って、私の隣に座った。
「教科書ありがとな、助かった。」
「あ、うん…」
「飯、一緒にいい?」
まさかこうやって一緒にお昼を食べるなんて予想していなかったので、コク、コクと首を縦に振るので精一杯だった。
「智花の弁当旨そう。」
「ま、松本くんは、パン?」
「あー、弁当は早弁で食っちゃうし、昼飯はとりあえずパン食って、部活前にも何か食うよ」
「そんなに?」
「てか、智花の弁当小さくない?それで足りんの?」
「うん。私はこれで十分…」