私と貴方を繋ぐ場所
第5話
ファーストキスから1ヶ月が過ぎ、もうすぐ12月になります。
私たちのお付き合いも順調です。
……多分。
「おっはよー、智花!」
「ぁ、おはよう、英梨」
まだ少し眠い目を擦りながら下駄箱で上履きに履き替えていると、英梨に会った。
「いやぁ、もうすぐクリスマスですねぇ。」
「そうだねぇ…」
「やっぱりあれ?クリスマスは彼氏と過ごすんですか?智花さんは。」
「えぇ?!そ、そんなの分かんないよ…!」
「うっそ!あれだけ昼休みにイチャイチャしといてクリスマスの約束してないの?!」
「い、イチャイチャなんて……」
「毎日昼休みにヒミツの空間でチュッチュチュッチュしてるくせに~」
「ちょっと…やめてよぉ…」
そう、あのファーストキスから今日まで、昼休みには必ず松本君が来てくれる。
その度に松本君は「充電」とか言いながらキスをしてくる。
昼休み以外の休み時間も、河本君に話をしに来る振りをして、私のクラスに顔を出してくれるし、
学校が休みの土日も、松本君はバスケ部の練習や試合でデートというものはした事が無いけれど、暇があるとメールや電話をしてくれる。
「智花はいいの?折角のクリスマスに24日は自分の誕生日じゃない!」
「うん……でも、松本君も忙しいと思うし…」
「ハァ…。あっそ。ま、智花がアイツとデートしたくないなら何言ってもしょうがないか。」
「ち、ちがうもん!したいもん…デート…したい…」
「ハイハイ!分かったから、朝から泣きべそかかないでよ…もぉ、本当に智花は泣き虫だな~。」
「………だって…」
「意地悪言ってごめん。あ!じゃあ、お詫びに良い事してあげる。」
「いいこと?」
「そ。早ければ今日中、まぁ…2~3日中には良い事あるかもね!」
「良い事ってなに?」
「それはヒミツ~!」
丁度いいタイミングで教室前に着いてしまい、英梨は8組の教室に入って行ってしまった。