私と貴方を繋ぐ場所
3・4時間目は調理実習でマフィンとスコーンを作った。
実習の片づけが遅れてしまい、別棟にある調理実習室から教室にお弁当を取りに帰り、小走りで旧館に向かった。
いつもより10分くらい旧館に着くのが遅れてしまった。
「はっ、はぁ、はぁ…」
「よ。」
「ご、ごめ…遅れ…ちゃった。はぁ…はぁ……」
「いいよ。珍しいじゃん、智花が遅れるなんて」
「調理自習だったの…。今、鍵開けるね」
いつものように旧館を開け、“開館中”のプレートを掛け、
貸出カウンターの椅子に座ってお弁当を広げる。
「8組は調理実習なに作った?」
「マフィンとスコーン…あの、よかったら…食べて、くれる?」
「マジ?!いいの?」
「…っ、……これ…」
「マジ嬉しい!食っていい?」
「…う、うん…」
「うん、ウマイ!」
「よかった…」
味見は少ししたけど、実際 松本君の口に合うか分からなくて緊張したけど、
美味しいって言ってくれて安心した。
松本君が本当に美味しそうに食べてくれてるのをみて、私もお弁当を食べ始めた。