いちばんの星 -side episode-


「あいつ…」



そんなふたりを見ながら、ヴェルヌも嬉しそうに微笑んだ。



「ヴェルヌ様、無理言ってすみませんでした」



そう、これはミュリエルが言い出したのだ。



スティークとラナに何かしてあげたい、と…



「ミュリエル」



ミュリエルの言葉には答えず、ヴェルヌはじっとその美しい水色の瞳を見つめた。



「愛してる、これまでも…これからも…」

「ヴェルヌ様…」



そのままふたりは見つめあい、優しく微笑み合った……



新たに結ばれた二組の男女を祝うように、鳴り止まない拍手と歓声だけが……いつまでもいつまでも響いていた…




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