いちばんの星 -side episode-


――――――


その日の夜。ぼんやりと月を眺めるスティークのもとに、ひとつの影が近付く。



「スティーク様?」

「…ラナ」



少しためらいがちに、ラナはスティークのもとに近付く。



「何を…しているんですか?」



少し距離をおいて隣に並んだラナ。



そんなラナに優しく微笑むと、再びスティークは月に目を向けた。



「月を眺めているんだ。今夜は月が綺麗だから…」



ラナはちらりとスティークに目を向ける。



月の光に照らされたスティークの横顔は、いつもは束ねている髪をほどいているせいかとても美しかった。



思わずラナは見入ってしまう。



その時。
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