いちばんの星 -side episode-
誤解
――――――
「ふう…」
いつものように、ラナが使用人の仕事をしていると向こうが騒がしい。
「どうしたんですか?」
気になったラナが近付いてみると、何やら使用人達が集まりきゃあきゃあと盛り上がっている。
「あの…」
「でも本当に素敵な方だったわねぇ」
「本当。スティーク様とお似合いだったわ」
(スティーク…様?)
スティークという言葉に、ラナは思わず眉を潜めた。
「あの、スティーク様がどうしたんですか?」
自分では気付かないうちに、ラナは使用人のひとりの肩を掴んでいた。
「何よ…気になるんなら、あなたも見てきたら?
まだ庭にいらっしゃるはずよ」
肩を掴まれた使用人は、それだけ言うとスタスタと立ち去ってしまった。
中庭に何があるのか…気付けばラナの足は中庭へと向かっていた。