いちばんの星 -side episode-


――――――


「落ち着いた?」

「…ええ」



あの後、ミュリエルはラナを自分の部屋へと連れてきた。




ソファーに座らせたラナの隣に腰を降ろすと、ミュリエルはラナの手にそっと自分の手を添えた。



「それで…話してくれる?何があったのか…」



ミュリエルの優しい言葉に、ラナはその重い口を開いた…



「見て…しまったの…」

「見た?」



ラナはこくりと頷く。



「スティーク様が、抱き合っているところ…」



そう自分で言葉にすると、先程の光景が再び頭に浮かび、ラナはまた俯いてしまう。



「スティーク様が…まさか…」



ミュリエルも、ラナの言葉に信じられないといった様子で目を見開いている。
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