いちばんの星 -side episode-


「いや…ラナ…」

「お話って、その事ですか?だったらもう失礼します」



なるべく自然に…ラナはそう振る舞ったつもりだった。



しかし、スティークからしてみれば明らかにおかしいラナの態度。



(なんだよっ…)



なぜかはわからないが、ラナのそんな態度に苛立ちを覚えてしまう。



「待てって…」



気付けば、スティークは立ち去ろうとするラナの腕を掴んでいた。



その拍子に、ラナが驚いた顔で振り返る。



「さっきから何なんだ?ひとりで勝手に話して…」



「君は何か誤解してるよ」
「誤…解…?」



始めてみるスティークの表情に、思わずラナは体が硬直する。



「彼女は恋人でも何でもない」
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