いちばんの星 -side episode-

どう思ってるの?



――――――


「私ね…昨日スティーク様に気持ちを伝えてきたの」



そう、ラナは笑顔でミュリエルに告げた。



時間はまだ早朝…にも関わらず、ミュリエルは部屋の前でそう話すラナを思い切り抱きしめた。



「ラナ…」



ラナの目は真っ赤に腫れていた。



おそらく今までひとりで泣いていたのだろう…



自分の体をきつく抱きしめる優しい腕を、ラナはそっと体から離した。



「もう…我慢できなかった」



スティーク様が好き…



「だから一方的に伝えたの…」



目の前で毅然とした態度を保つラナの肩をそっと抱くと、ミュリエルは自分の部屋へと招き入れた。
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