いちばんの星 -side episode-
部屋の中にあるソファーに強引にラナを座らせると、何も言わずミュリエルはラナの隣に腰を下ろした。
「昨日、ね…」
ラナは…ポツリ、ポツリと話し始めた――…
…――星が夜空に煌めき始めた頃、ラナはひとり廊下の窓から外を眺めていた。
夜風が少しだけ肌寒く、思わず自分の体を抱きしめる。
その時、突然ふわりと温もりを感じてゆっくりと後ろを振り向いたラナの瞳には、
「風邪、引くよ?」
そう言って自分の軍服のマントをラナの体にあてがうスティークの姿だった。
――ドキン…
たったそれだけの事で、自分の心臓はこんなにも激しく脈うってしまう。