いちばんの星 -side episode-
――――――
「……長…」
「……隊長ッ!!」
その言葉に、スティークははっと我に返った。
「あ…悪い」
「どうしたんですか?ぼうっとして」
兵のひとりがスティークの正面に立って心配そうに見つめている。
そんな兵に、スティークはふっと微笑むと肩をぽんと叩いた。
「何でもないさ」
そう言うと、スティークはその場にいた兵達に訓練の終わりを告げた。
いつものように結んだ髪をほどくと、城の中のある場所へと向かう。
――コンコン…
「入るぞ」