いちばんの星 -side episode-


「何だよ、突然」



あくまでも平静を装うスティークに、尚もヴェルヌは言葉を続けた。



「…いいのか?捕まえておかないと、後悔するんじゃないのか」



ヴェルヌの真剣な眼差しに暫くスティークは黙り込んでいたが、ふっと息を吐き出すとソファーの背もたれから体を起こす。



そして、両膝に肘をつくようにして体を起こして手を組むと、そのまま何かを考えるようにじっと前を見据えていた。



そんなスティークの様子を、ヴェルヌは黙って見つめている。



「…わからないんだ」

「わからない?」



やっと紡がれたスティークの言葉を繰り返すヴェルヌ。



そんなヴェルヌに視線を向けると、スティークはコクリと頷いた。
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