いちばんの星 -side episode-
「ラナを、どう思ってるのか…」
「どう思ってるってお前…」
ラナの事が好きなんだろ…、そう出かけた言葉をヴェルヌはぐっとこらえた。
なぜなら、目の前のスティークはこれまで見たことがないような苦しげな表情を浮かべていたからだ。
「ラナの気持ちが真っ直ぐで、真っ直ぐすぎて…逆に自分の気持ちが信じられないんだ。
本当に彼女を愛してるのか、心の底から愛してあげれるのか…ってね」
そう言って力なく微笑むスティークに、ヴェルヌは何も言えなかった。
これまで、スティークがここまで本気でひとりの女性の事を考えた事があっただろうか。
もしかしたら…自分に本当の愛を見つけてほしいと言っていたスティークもまた、本当の愛を知らなかったのではないか…
無意識に、ヴェルヌはスティークの隣に腰を下ろしていた。