いちばんの星 -side episode-
「それじゃあ次の休みの日にね」
そう言うと、父と母は嬉しそうに帰って行った。
ラナの手元には、店の名が書かれたメモが一枚…
「結婚、か…」
ぼんやりとそのメモを眺めながらそうポツリと呟いた。
今まではまさか自分が結婚する日が来るとは思ってもみなかった。
しかし……
ラナの脳裏に浮かぶのは、結婚を控えるミュリエルの幸せそうな姿。
そして…
「スティーク様…」
思いを告げた、愛しい人の姿だった。