いちばんの星 -side episode-
「どうして…どうしてそれだけの言葉しか言ってくださらないのですか?」
ラナのその言葉に、僅かだがスティークの瞳が揺れた。
「どうして…」
私を連れ出したりしたの…?
ラナの心境は複雑だった。
もう諦めたはずだったのに…
スティークの行動に、何かを期待してしまっている自分がいた。
しかし…
「……」
何かを紡ぎだそうとして開かれたスティークの唇が、言葉を発する事はなかった。
スティーク自身も、自分がした行動に驚いていた。
ただ会いたかったんだ…
ラナの事をヴェルヌから聞いた瞬間…
スティークの足は街へ向かっていた。
一軒一軒、外からラナの姿を探した。
やっと見つけた君を…この手で奪いたいと思ってしまったんだ…