いちばんの星 -side episode-
あなたとは一緒になれない…
ラナがそう言おうと意を決して顔を上げた時、机の上できつく握られていたラナの手に、ふとエバンの大きな手が触れた。
驚いたラナが一旦手に向けた視線をエバンへと向けると、そこにはこれまでの優しい笑顔とは違い真剣な眼差しを向けるエバンの姿があった。
「エバンさ…」
「ラナさん」
ラナと、そう初めて名前を呼ばれた事が、ラナの緊張を高める。
「今貴女が誰を思っていようとも、私は貴女を愛します」
『愛している』その言葉が、ラナの胸に深く突き刺さった。
ずっとずっと言ってほしかった言葉…
その言葉を今自分に向かって真っ直ぐに伝えてくれるのは…
「エバンさん…」
愛しいあなたではないのね……