いちばんの星 -side episode-
いっそもう結婚してしまおうか、何度もそう考えた。
少なからず、目の前で愛を誓ってくれたこの人の下へ嫁げば一生幸せな生活を送れるだろうと。
しかし、ラナはエバンの人柄に戸惑っていた。
お見合いの席を突然飛び出した自分を咎めもせず、それどころか逆に愛すると言ってくれたエバン。
いっそ…大声で罵倒された方がどんなに気が楽だっただろう。
優しさで自分を包んでくれるエバンの気持ちに、真っ白なままの自分で向き合えないという現実。
(やっぱり…こんな中途半端な気持ちじゃ駄目)
「お気持ちは嬉しいのですが…」
やはり断ろう、ラナがそう決意した時だった。
「この間の…男性ですか?」