いちばんの星 -side episode-


エバンは再びテーブルに両肘をつくと,真っ直ぐにラナを見つめた。



「貴女が誰を思っていても、構わない」

「……」

「無理に忘れろとは言いません。でも…彼とは違い、私はあなたに想いを伝えます」



その言葉に、ラナの瞳がじんわりと熱を帯びる。



「私の、妻になってください」



エバンの姿が、一瞬だけスティークと重なった。



『ラナ』



耳に残るスティークの声を振り払うように頭を振ると、ラナはじっとエバンを見つめ返す。



こんな事はずるいかもしれないけど…



あなたを思い続ける事に、疲れてしまった。



だから……



「……はい」



私は、私を愛してくれる人を…愛していきます……


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