いちばんの星 -side episode-


結婚、その言葉にスティークは僅かに反応した。



「きっかけは小さい事だったんですけど…」



そう言うと、グリンはゴクリと酒を飲んだ。



「でも…」



手元に落としていた視線をふっとあげると、グリンはポツリポツリと話し始めた。



「情けない話なんですけど、離れてみてやっと大切さがわかったんです」



『スティーク、あのな…』



「だから、」



『ラナが…』



「ちゃんと謝って、プロポーズしようと思ってるんです」



そう言って無邪気に笑うグリンの言葉が、スティークの心に突き刺さった。



「スティーク様はたくさんの女性とお知り合いなんでしょうね」



< 69 / 107 >

この作品をシェア

pagetop