いちばんの星 -side episode-
結婚、その言葉にスティークは僅かに反応した。
「きっかけは小さい事だったんですけど…」
そう言うと、グリンはゴクリと酒を飲んだ。
「でも…」
手元に落としていた視線をふっとあげると、グリンはポツリポツリと話し始めた。
「情けない話なんですけど、離れてみてやっと大切さがわかったんです」
『スティーク、あのな…』
「だから、」
『ラナが…』
「ちゃんと謝って、プロポーズしようと思ってるんです」
そう言って無邪気に笑うグリンの言葉が、スティークの心に突き刺さった。
「スティーク様はたくさんの女性とお知り合いなんでしょうね」