いちばんの星 -side episode-


「スティーク様」



その姿を見て、ラナの瞳からは無意識に涙が溢れていた。



――サク…



スティークは、何もいわずゆっくりとラナの下へと歩み寄る。



「スティークさっ…」

「ラナ…」



そのまま、スティークはラナを抱き締めた。



もう離すまいと力を込めたその腕が…



そしてすぐ近くで感じるその鼓動が…



あまりにも心地よくて、ラナは思わず目を閉じた。



ずっとここにいたい、そう…思ってしまった。



しかし。



「…っ、離してください!」



我に返ったラナは、その腕に力を込めた。



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