いちばんの星 -side episode-
スティークの言葉を聞いた瞬間、ラナの心の中で何かか割れた気がした。
堅くラナの心を縛っていたそれは、スティークの言葉で一瞬のうちに消え去った。
「スティークさまっ…」
そのままラナはスティークの背中に腕を回し、しっかりとその温もりを感じるように体を寄せた。
スティークもまた、これまで以上にその体を抱き締めた。
「ラナ……これから大変かもしれないけど、ふたりで乗り越えよう」
もう離れたくはないから…
「俺の側に…ずっと俺の側にいてほしい」
「スティーク様…」
その時初めて、ラナは心の底から幸せだと感じた。
自分には…この人しかいないのだと……
「…はい……」
スティーク様…あなたは私の、運命の人です……