いちばんの星 -side episode-
同じ頃、窓辺に立って空を眺めるミュリエルの側にいつのまにかヴェルヌが立っていた。
「風邪を引く」
そう言って、ヴェルヌはミュリエルにそっと上着をかけるとそのまま隣に並んだ。
「スティーク様とラナ、よかったですね」
「ああ」
そう言って柔らかく微笑むミュリエルが余りにも美しくて、ヴェルヌはそっと顔を近付けた。
「あっ」
あと僅かで唇が重なるという時、突然ミュリエルが声を上げて空を指差した。
「…何だよ」
せっかくの行為を中断されて少し不機嫌になったヴェルヌは、少し面倒臭そうにミュリエルが指差した方向に視線を向けた。
そこに見えたのは、満天の星空と…
「流れ星…」
空から降り注ぐような流れ星…