いちばんの星 -side episode-


「ヴェルヌ様?」



空を見上げたまま、ミュリエルは囁くように話し始めた。



「以前、ヴェルヌ様は私をいちばんの星だって…そう…言ってくれましたよね?」



『ミュリエル…君は俺にとって、いちばんの星なんだ…』



それは、ヴェルヌがミュリエルに思いを伝えた時の言葉だった。



「私にとって、ヴェルヌ様も夜空に輝く星のようでした。

近くにいるはずなのに…すごく遠い…」



始めはヴェルヌの気持ちがわからず、受け入れる事ができなかった。



しかし、少しずつ変わるヴェルヌに次第にミュリエルは惹かれていった。



「けれど…」



そう言うと、ミュリエルはゆっくりとヴェルヌに向き直った。



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