にじいろ奇跡
性格と若干肌の色が違う事と髪の長さが違う位で、私とルリは凄く似ていた。そのうえ


「沙夜ちゃんの誕生日は何時だと記憶している?」

「5月26日・・・。」

「!?」

「!?」


両親が驚いている。
そう、私の誕生日はルリの誕生日と全く一緒なのだ。


容姿もそっくり、誕生日も一緒。この偶然に私は違和感を持っていたが、対して気にはしていなかった。この時まで。


「沙夜ちゃんが産まれたのは5月26日午後2時38分だ。しかもこの病院で」

「ま、待って!!そんな偶然が!?」

(どういう事!?お母さん)


訳が分からない私はお母さんを凝視する。


「そう。瑠璃ちゃんが産まれたのも5月26日午後2時38分しかもこの病院で。です。」


九条先生は淡々と話す。嘘・・・それは私の中で仮定されたものがあった。




私の本当の名字・・・野沢



私と同じ日に同じ時間で産まれ・・・



私と同じ病院で産まれた・・・



私と同じ容姿をもって・・・



私の本当の名字を持つルリ。




多分きっと私の仮定は合っていると思う・・・。


「黒月沙夜ちゃんはいや、野沢沙夜ちゃんは野沢瑠璃ちゃんの双子の妹だよ」


両親が驚いている。私の仮定は正しかった。


(やっぱり・・・)

「どうして・・・私は双子なんて産んだ記憶・・・」


お母さんは混乱していた。勿論私も凄く混乱している。


「お母さん落ち着いて。話を聞いてみようよ?」

「ええ」


膝の上でハンカチをギュッと握り締める母。


九条先生は落ち着いたのを確認すると、こう話を続けてくれた。
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