にじいろ奇跡
それから落ち着いたお母さんとお父さんと一緒に行って


戸籍登録をした。私は正真正銘、野沢沙夜となった。


「お母さん!!お父さん!!」

「フフッ」

「沙夜・・・パパって言ってくれ」

「私も・・・ママが良いなぁ」

「ッ・・・ママ・・・パパ」


ギュッと抱き締めてくれる私の両親。パパやママと言うのは照れ臭くて恥ずかしいけれども、そのうちに慣れると思う。


その後学校に行き、事情を話したら、落ち着いてから来なさいと校長先生から言われた。


学校からの帰りに、私のマンションに寄って解約してきた。私の部屋の物は全て野沢家に持ってきた。


だけどちょっと安物で壊れかかったものしか持って居なかったし、愛着も無かったから


殆どを処分した。有るのはルリとお揃いで買った物や、細々とした小物と制服や鞄位。


服も全部捨ててしまったから、暫らくはルリのを拝借。


明日は客間2つをリフォームして私の部屋を作ってくれると言っていた。


今日の夕食は豪華だった。沢山の料理が並んで、プレゼントを貰った。


私はこの家に住むべき人間なんだと実感する事が出来た。


それから、何処から聞き付けたのか、私の家に新聞記者が押し寄せて来た。私の過去を知って、インタビューをしにだ。


その記事は新聞の一面に大きく載った。「孤児の女の子実は野沢会社の実娘」と。


私の事は、直ぐに知られた。その後1週間、テレビの取材や雑誌など訪問客が絶え間なかった。
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