にじいろ奇跡
今日は快晴だった。


父親が送ってくれると言ったので、朝食を食べて少し遅めに家を出た。


久しぶりの制服を着ると、なんだか違和感がある。


送り迎えなど、初めての事で雨の時に送ってくれる生徒を見ると、羨ましく思っていた私にとって


凄く新鮮な気持ちだった。


「パパありがとう。帰りは牧野さんとママに迎えに来てもらうね」

「うん。分かった。気を付けて。いってらっしゃい」


パパは校門の前で私を下ろしてくれた。学校に行くときは、職員室に寄るよう言われていた。


パパが着いて行こうとしたけれど、お仕事があるのだ。1人でも大丈夫だ。と断っておいた。


「うん。大丈夫。行ってきます。パパもお仕事頑張ってね」


パパが車を発車させ、学校から離れた事を確認して、私は校舎へと足を進めた。


「あ、黒月・・・じゃなかった野沢さんおはよう!!」


昇降口でバッタリとクラスメートに会った。私とは違いスカートも規定より凄く短くて、化粧も濃い。所謂問題生徒達だ。


「おはよう。久しぶりだね」


とりあえず愛想笑いで答える。彼女達が近づくとキツい香水の匂いがした。とりあえず愛想笑いで答える。


「野沢さん凄いじゃない。一躍有名人。瑠璃と双子だったなんてね。そっくりだったもん」

「私も最初は凄く驚いたよ。御免ねこれから職員室に行かないといけないんだ。また後で話そう」


話好きの彼女と話していたら、キリが無い。早々に終わらせて職員室に行くべきだ。


そう判断して丁寧に断りを入れてから、私はその場から離れる様に職員室へと向かった。
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