にじいろ奇跡
「あはは!あ・・・もうそろそろおいとましようかな」

「えー」


ルリは余程不満なのか、不満足だと顔に書いてある。


「家事をね・・・今日は寝坊したから終わって無いんだ。それに仕事の道具もそろそろ仕入れておかないといけないんだ」

「サヤも大変だね。今バイトは何をやっているの?」

「今はバイトやってないよ。テスト近いからさ。勉強がんばらないとなぁ・・・ってトコだから」

「ふぅん・・・もう中間テストかぁ。私夏休み前には学校行きたかったんだけれど、ちょっとまだ厳しいかなぁ」

「そっか・・・勉強なら私が教えるからさ。大丈夫だけど出席日数だよね。夏休み過ぎたら受験モードだって先生達煩いし」

「だよね〜。大学行きたいよ〜!!」

「きっと行けるよ。少しずつだけど良くなっているんでしょ?」

「まぁね。よし。じゃぁ2学期には学校行くを目標に頑張るよ」

「応援してる。じゃぁまた今度」

「うん。ありがとう。楽しかったよ」


ルリも余程楽しかったのだろう、今日は笑顔が絶えなかった。


「暫くはバイトほとんど無いんだ。だからもっとルリに会えるよ」

「本当!?嬉しい!!でも無理しなくて良いからね?」


ルリは最後まで、私を気遣ってくれた。


私は、大丈夫心配無いからという事を伝え、病室を出る。


「じゃぁ行くね。また今度」

「あ、うん・・・。ケーキありがとうね!また今度!!」


小さく手を振り、笑顔を見せるルリを見て、私も小さな笑みを浮かべる。


(仕事の仕入れをしに行って、朝出来なかった家事の片付けも、全部早く済ましてしまおう)
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