にじいろ奇跡
03章
私が趣味で始めた仕事とは、ビーズアクセサリーだ。


たまにモチーフもする。元々手先が器用な私は、フェルトやビーズを使っていろいろな物を作っていた。


そんな作品を見たルリの両親が、私に教えてくれた仕事だ。


一つの作品でもかなり沢山のお金が入るから、とても助かっている。


廊下を歩いていたら、反対側から二組の男女がこちらに歩いて来る。


優しそうな雰囲気を醸し出すあの男女は、間違いない。ルリの両親だ。


「こんにちは沙夜ちゃん。今日も瑠璃ちゃんの為にありがとう」


おばさんは私に気付くと、私に挨拶をしてきた。


笑い顔や優しい人柄は本当にルリそっくりだ。


おばさんと言うには若すぎる様な容姿。


「こんにちは。おばさん。いいえ。私もルリには早く元気になって貰いたいですから」

「沙夜ちゃん、久しぶりだね。元気そうで何よりだよ」


ルリのお父さんだ。優しくも威厳のある雰囲気。


この両親は、仲の良い優しい両親だと近所では有名だ。


そんな両親から生まれたルリも学校では、かなり優しいと評判があった。


「お久しぶりです。先日は仕事を紹介して下さり、本当にありがとうございます。おかげでかなり助かっています」


丁寧にお礼を言って、頭を下げたら、頭を撫でられた。大きくて暖かい手だった。


「いいや。大したこと無いよ。沙夜ちゃんには、瑠璃の事で何時も助かっているから。ほんのお礼さ」
< 12 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop