にじいろ奇跡
「・・・もしもし?」

「ルリ?どうしたのこんな時間に?」


電話の相手は、ルリだった。何時もはしないルリからの電話。珍しい事だ。


「うん・・・ちょっとサヤの声が聞きたくて。時間大丈夫だった?」

「別に大丈夫だけど・・・」


今日のルリは、何だか変だ。電話なんか滅多にしない。私は、不安を感じた。


「良かった!あのね、ケーキ本当ありがとうVv嬉しかった!!」

「うん。別に構わないよ」

「サヤは私を見捨てないでね」

「?うん。何かあった?」

「ちょっとね」


ルリが苦笑いしたのが、電話越しに分かった。


「何かあったら、ちゃんと言うんだよ。迷惑なんて思って無いからさ」


こういう時のルリは何を言っても、口を割らない。だから、私も無理矢理聞き出す事は


絶対にせず、ルリが話してくれるのを待つんだ。


「うん!!夜遅く御免ね。おやすみ。また明日」


ルリからの電話は、切れてしまった。私の中ではモヤモヤした感覚が残っている。


(何があったの・・・)


きっと何時か絶対話してくれる。私はそう信じてルリが話してくれるのを、待とうと決めた。


何時もルリに助けて貰ってばかりいるんだもの。私もルリの助けになりたい。


ルリには感謝しても仕切れない程に私は感謝しているんだもの。


「話してくれる・・・私達は親友なんだから・・・そうだよね?ルリ?」


答えてくれる人は今此処に居ない。
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