にじいろ奇跡
「サヤ久しぶり」


放課後の図書館で暇を潰していたとき、ルリに会った。


「――――ルリ」

「サヤに会えなくて、寂しかった!!連絡しても直ぐに途絶えちゃうし・・・」


ルリは私を見た途端、私と同じ黒い目から涙をこぼした。


「・・・ごめん。ルリ郁人と仲がいいからさ・・・」

「私・・・サヤが居ないとダメだよ・・・ダメになっちゃう」


ルリの言葉に私の良心が痛む。


「ルリ・・・」

「私の1番の親友はサヤでしょう?私にはサヤしか居ないもん。サヤにしか話せないこと、いっぱいあるんだもん」

「・・・」

「サヤぁ・・・」

「ッ。」

「御免ね。郁人とばっかり仲良くしちゃったら、サヤもつまらないもんね・・・。御免ね!!」


ルリは悪くないのに、ルリが泣いている。私の個人的な感情でルリを避けていたのに・・・


罪悪感を感じて、私が辛くなった。ルリの泣き顔に結構弱い。


だから喧嘩をした時も、ルリは泣きながら謝って来るものだから、私も許してしまう。


その後の嬉しそうな笑顔が見れると、喧嘩していた事もどうでも良くなると思ってしまうんだ。


私はずっとルリには適わないと思う。ルリの泣き顔は見ていて本当に辛く苦しくなるんだ。


親友には何時も笑顔でいてほしい。という気持ちもあるかもしれないけれど、1番の理由はきっとこれだと思う。
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