にじいろ奇跡
「おい?どうしたんだよ?調子悪いのか?」

「ッ何でもない」


郁人が心配してくれてる。我にかえった私は郁人に冷たくして、一人ルリの元に歩いていく。


「ちょッ!?」


郁人が追いかけて来て私の隣に並ぶ。少しの間沈黙が流れる。先に口を開いたのは郁人だった。


「お前・・・変わったな」

「は?」


内心ドキドキしながら答える。いきなり郁人は言い出した。


「前も冷たかったけど、最近は前よりも冷たいぞ」

「・・・そんなことない」

「何があったか知らないけどな、言いたいことはちゃんと話せ。愚痴くらい、聞いてやるよ」


私の頭を軽く叩いて、郁人は言う。私は郁人を見上げるが郁人の視線はまっすぐ前を見ていた。


「・・・余計なお世話だ」

「―――・・・。悪かった」


つい、キツく言ってしまう。冗談だったのに…郁人が謝ってしまった。何時もみたいにヘラッて返してよ・・・。


気まずくなった。
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