にじいろ奇跡
「・・・もしもし?」

『黒月、今から会えない?』


電話を取ったら、彼はいきなり本題に入った。回りくどいことも嫌いな彼らしい行動。


「大丈夫だけど、何処に?」

『今黒月の家の前』

「は!?・・・分かった。ちょっと待って」


・・・行動も早い。急いで玄関を開けると、彼は俯き加減で家の前に立っていた。


「中條・・・」

「よっ。悪いな。突然」


中條は作り笑いをして中に入って行った。


「別に構わないけど、驚いた」

「黒月でも驚くことあるのかよ」


中條は軽く目を見張る。本気で驚いてるようだ。私を何だと思っているのやら。


「私も人間だけど?」

「そりゃそうだ!!悪かった。謝るよ」


中條の言い方は、本気かどうかなんて分からない。


コーヒーをいれながら、我が物顔でソファーを占領して寛いでる中條に目をやる。
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