にじいろ奇跡
病院
私は躊躇いもなく、病院の敷地に足を踏み入れた。
別に今日は私が何処が悪いからという訳ではない。
確かに、私は体が他の人と比べて弱いらしいが、それはほんの少しの事だ。
今日は私の会いたい人が此処に入院しているから会いに来てるのだ。
広いロビーを通り、通い慣れた通路を通ってエレベータに乗る。
エレベータを降りて、明るく白で統一された廊下を歩いて行く。
途中で顔見知りの患者さんや看護師に会い、会釈をしながら。
―――――――
野沢 瑠璃
ノザワ ルリ
―――――――
私の会いたかった、人の名前。野沢瑠璃。
ルリは、生まれも育ちも良かった。私みたいな何処で生まれたかも分からないような、素性も知れない人にも分け隔てなく、優しかった。
ルリの家族もまた然り。優しい人たちだった。
そんなルリは、なんでもパーフェクトな完璧人間だった。
完璧人間なルリでも、唯一持つことが許されなかったものがある。
健康な身体だ。ルリは生まれつき心臓の病気を持っており、現在の医学では治す事が難しいのだ。
その為ルリは学校にもあまり行けず、ほとんどを病院で過ごす事が多かった。
本来ならルリは中学を卒業して、私と同じ高校に通っていた。
しかしルリはもう少しで1年が終わるという時期に発作を起こして以来
ずっとこの病院で入院をしている。ルリが入院中に私達はもう2年になっている。
私は躊躇いもなく、病院の敷地に足を踏み入れた。
別に今日は私が何処が悪いからという訳ではない。
確かに、私は体が他の人と比べて弱いらしいが、それはほんの少しの事だ。
今日は私の会いたい人が此処に入院しているから会いに来てるのだ。
広いロビーを通り、通い慣れた通路を通ってエレベータに乗る。
エレベータを降りて、明るく白で統一された廊下を歩いて行く。
途中で顔見知りの患者さんや看護師に会い、会釈をしながら。
―――――――
野沢 瑠璃
ノザワ ルリ
―――――――
私の会いたかった、人の名前。野沢瑠璃。
ルリは、生まれも育ちも良かった。私みたいな何処で生まれたかも分からないような、素性も知れない人にも分け隔てなく、優しかった。
ルリの家族もまた然り。優しい人たちだった。
そんなルリは、なんでもパーフェクトな完璧人間だった。
完璧人間なルリでも、唯一持つことが許されなかったものがある。
健康な身体だ。ルリは生まれつき心臓の病気を持っており、現在の医学では治す事が難しいのだ。
その為ルリは学校にもあまり行けず、ほとんどを病院で過ごす事が多かった。
本来ならルリは中学を卒業して、私と同じ高校に通っていた。
しかしルリはもう少しで1年が終わるという時期に発作を起こして以来
ずっとこの病院で入院をしている。ルリが入院中に私達はもう2年になっている。