にじいろ奇跡
09章
結局優は、私が泣いた理由を無理には聞き出そうとしなかった。
優は優しすぎる・・・。私には勿体ない。本当にそう思う。
優の優しさに、私は思わず涙を流した。
私は部屋に戻ると、ケータイを手にした。慣れた手つきで操作してメールをつくる。
“昨日は勝手に帰ってごめん。
体調が優れなかったんだ。”
短い文だけど、余計な事を嫌う私には満足だ。宛先を郁人に設定して送信した。
送信完了の画面が出てきたのを確認して、私はケータイを閉じた。
(今日のご飯・・・残り物でいっか)
夕食の事を考えながら、私は寂しいと感じる心に気づかないフリをして家事に没頭した。
しかし、マグカップを・・・リビングを見るたびに、あの凛々しい優の表情と言葉を思い出して、顔が赤くなるのを感じていた。
優と郁人の間で揺れ動いている事を自覚するには時間がかからなかった。
優は何時から私を意識して、何時から私を好きになってくれたんだろうか・・・。いくら考えても私には分からなかった。
「明日・・・凄く気まずいんだけど。どうしてくれるのよ優」
私だって人間だし、恥ずかしいとか気まずいと感じる事だってあるのだ。
告白されたら、嫌でも意識してしまう。
(私は・・・誰を想っているの――)
考えれば考える程頭の中が混乱してくるだけだった。
いっそ郁人を諦めて優と付き合おうか・・・いや出来ない。郁人を好きだと思う気持ちを忘れられない。
(もう止めよう・・・優も返事は何時でもって言ったし。)
優は優しすぎる・・・。私には勿体ない。本当にそう思う。
優の優しさに、私は思わず涙を流した。
私は部屋に戻ると、ケータイを手にした。慣れた手つきで操作してメールをつくる。
“昨日は勝手に帰ってごめん。
体調が優れなかったんだ。”
短い文だけど、余計な事を嫌う私には満足だ。宛先を郁人に設定して送信した。
送信完了の画面が出てきたのを確認して、私はケータイを閉じた。
(今日のご飯・・・残り物でいっか)
夕食の事を考えながら、私は寂しいと感じる心に気づかないフリをして家事に没頭した。
しかし、マグカップを・・・リビングを見るたびに、あの凛々しい優の表情と言葉を思い出して、顔が赤くなるのを感じていた。
優と郁人の間で揺れ動いている事を自覚するには時間がかからなかった。
優は何時から私を意識して、何時から私を好きになってくれたんだろうか・・・。いくら考えても私には分からなかった。
「明日・・・凄く気まずいんだけど。どうしてくれるのよ優」
私だって人間だし、恥ずかしいとか気まずいと感じる事だってあるのだ。
告白されたら、嫌でも意識してしまう。
(私は・・・誰を想っているの――)
考えれば考える程頭の中が混乱してくるだけだった。
いっそ郁人を諦めて優と付き合おうか・・・いや出来ない。郁人を好きだと思う気持ちを忘れられない。
(もう止めよう・・・優も返事は何時でもって言ったし。)