にじいろ奇跡
「沙夜、着いたぞ?」
「あ、うん!」
考え事をしていたら、もう学校に着いてしまったようだ。
残念な気もするけど、これで少しは暑さという地獄から抜け出せると思うと、物凄く嬉しい。
「カバン・・・ありがとう」
「ん。気にすんな」
昇降口で郁人は笑って、持っていたカバンを私に返してくれた。
郁人の手に触れたとき、物凄く緊張がはしった。
「っ!」
「っ!わ、悪い!!」
「う、ううん!」
慌てたような郁人の声。私はおそらく真っ赤な顔をあげる事も出来ない。声も裏返った。
少し気まずい沈黙の中、私達はきっと、通行の邪魔だったろう。
通り過ぎていく生徒達が私達を怪訝そうに見て過ぎて行く。
「おまえら、邪魔」
「のわぁぁ!!」
「なかッ、優」
第三者の声に、郁人が驚きの声を上げた。
私も内心驚いたけど、聞き覚えのある声に、顔をあげると鬱陶しそうに郁人にどついてる優が居た。
私が何時もの様に様に「中條」と呼ぼうとしたら、優は私に顔を向け、一瞬悲しそうな顔をした。
(あ、中條じゃなかった。優って呼ぶんだった)
慌てて言い直すと、優は笑顔を浮かべ挨拶をしてきた。
(朝から爽やかな笑顔だ)
「はよ。沙夜」
「優、痛えなコノヤロウ!!」
「沙夜、教室まで行こうぜ」
そう言って優は私の手をぐいぐい引っ張る。優に吊られて郁人を置いて中へと入って行ってしまった。
「あ、うん!」
考え事をしていたら、もう学校に着いてしまったようだ。
残念な気もするけど、これで少しは暑さという地獄から抜け出せると思うと、物凄く嬉しい。
「カバン・・・ありがとう」
「ん。気にすんな」
昇降口で郁人は笑って、持っていたカバンを私に返してくれた。
郁人の手に触れたとき、物凄く緊張がはしった。
「っ!」
「っ!わ、悪い!!」
「う、ううん!」
慌てたような郁人の声。私はおそらく真っ赤な顔をあげる事も出来ない。声も裏返った。
少し気まずい沈黙の中、私達はきっと、通行の邪魔だったろう。
通り過ぎていく生徒達が私達を怪訝そうに見て過ぎて行く。
「おまえら、邪魔」
「のわぁぁ!!」
「なかッ、優」
第三者の声に、郁人が驚きの声を上げた。
私も内心驚いたけど、聞き覚えのある声に、顔をあげると鬱陶しそうに郁人にどついてる優が居た。
私が何時もの様に様に「中條」と呼ぼうとしたら、優は私に顔を向け、一瞬悲しそうな顔をした。
(あ、中條じゃなかった。優って呼ぶんだった)
慌てて言い直すと、優は笑顔を浮かべ挨拶をしてきた。
(朝から爽やかな笑顔だ)
「はよ。沙夜」
「優、痛えなコノヤロウ!!」
「沙夜、教室まで行こうぜ」
そう言って優は私の手をぐいぐい引っ張る。優に吊られて郁人を置いて中へと入って行ってしまった。