にじいろ奇跡
11章
優・・・。
郁人・・・。
優の気持ちは凄く嬉しい。私は優も好きだけど、郁人の“好き”とはまた別の好きだ。
友人として、優が好き。優を恋愛対象としてなんて、みれない。
(伝えないと・・・)
屋上で寝転びながら、私は空を見つめて考えていた。
雲ひとつない空は心がスカッとして、見ていて気持ちが良い。雲がある空も好き嫌いを問われたら、断然好きだと答える。
私は悩み事や、悲しい事がある時は、何時もこうして屋上で寝転ぶ。
一昨日の雨の所為で、今日の空には雲が点々と存在していた。風に流されていく雲を見ていると、気持ちが落ち着いてくる。
(にしても)
「暑い」
屋上の真ん中で、しかも太陽が一番当たるトコだ。いくらなんでも暑いだろう・・・。日陰に寝転んでいれば良かった。
私は体を起こして、とりあえず直射日光を避ける為に日陰で寝直す事にした。