にじいろ奇跡
「ッ!?・・・夢??」


気が付いた時には、私は眠っていたらしい。


外は朝日が昇っている事から、朝なのだと分かる。時計は5時23分を表示している。


不安と警鐘は止まらないどころか、ますます大きくなる。


「日が昇るの・・・早くなったな・・・」


6月も過ぎれば本格的な夏の到来だ。日中の気温は30℃を越えるのもしばしば。


太陽が4時くらいに顔を出すようになる。湿気の多い日本の夏は結構厳しい。


睡眠を欲す体に鞭打って名残惜しくも、ベッドから出る。


とりあえずシャワーを浴びて制服に着替える。弁当を作り、ご飯を食べた。


「一人きりの食事って・・・やっぱり淋しいな」


慣れたと言っても時々、人肌が恋しくなる。今日は郁人と優にうんと甘えよう。


窓の戸締まりを確認。クラーのタイムを設定して、鞄にお弁当を詰め込んだ。


「あ、ケータイ・・・」

(昨日は充電したまま放置にしてたんだった)


履いたローファーを脱いで、部屋に戻る。充電器から外してケータイをポケットに閉まった。


「・・・よし!!」


気合いを入れて、再びローファーを履く。玄関の鍵を閉めて、開かないのを確認。


そのまま学校へと行く。




今日も長い1日が始まる。




ルリがいないつまらない日が・・・。




そう思っていたのに、今日に限って違っていた。





あの時・・・どうして見過ごしてしまったんだろう。





私は今でもこの時の私を恨んでいる。





どうして気付かなかったのだろうか・・・。




この時の私には、最悪な未来を想像することも無かっただろう。




まさかこの後の予想外の展開を――――
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