にじいろ奇跡
02章
時間よ止まれ。
ルリを私から奪わないで。
この幸せが永遠に続いて欲しい。



幾度となく思うこの思い。でも、決して叶いはしない。


無情にも時間は刻一刻と過ぎていく。永遠などありはしない。


「・・・や、サヤ!」

「!?あ、な、何?」

「何?じゃないよ。此処に皺寄ってる。気難しいこと考えてた?」

「ううん。違うし!今日の晩ご飯の事だよ」

「・・・そう」

「うん!」


考え過ぎた。今はルリと居る貴重な時間。こんなこと、考えている場合でもない。


ルリに心配かけまいと、咄嗟に誤魔化した。


「このケーキ、本当に美味しい!!サヤいくらだったの?お金払うよ」

「えっ!?良いよ、気にしないで。私が好きで買ったんだし」

「サヤ、私が知らないとでも?サヤは何時も月末はピンチでしょ」


ルリはやっぱり鋭い。何も言い返せなくなった、私は黙ってルリから目を反らした。


「やっぱりね。はい。ケーキ代」


私に渡されたケーキ代は、高すぎる値段だ。


「ちょっと!?これは多すぎ!!たかがケーキ、そんなに高く無いから!!」

「良いじゃん。私の気持ちも入ってるの。気にしないで」


このお嬢様は、金銭感覚がおかしい。


多い分を返そうとしても、ルリは受け取ってくれなかった。


もしかして、私が今月ピンチだから、助けようとしての事だろうか・・・。


全くルリには頭が上がらない。
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